「眠れない」以外にもある。心が疲れている時に体が送るS.O.S 5選

看護師

最近、なんだかずっと疲れてる気がする…

ちゃんと寝てるはずなのに、しんどい

こんなふうに感じたこと、ありませんか。

「それでも毎日は続くし、無理やり頑張ってしまう」
そんな人ほど、こうした感覚を後回しにしてしまう印象があります。

心が疲れているとき、
体は必ずしも「眠れない」という形だけでサインを出すわけではありません。
むしろ、もっとさりげないS.O.Sとして現れることのほうが多いです。
気づきにくいからこそ、「自分でもよくわからない不調」になりやすいのです。

私自身の経験や、精神科訪問看護の現場でも、
「後から振り返ると、あれが最初のサインだったんだな」と思う場面を
何度も見てきました。
そのときは「まだ大丈夫」と思ってしまうんですよね。

この記事では、
「まだ病院に行くほどじゃないけど、なんだかおかしい」
そんなときに体に出やすいサインを、できるだけわかりやすくまとめています。

この記事を読めばわかること

  • 心が疲れているとき、体に出やすいサインの具体例
  • 「気のせい」「甘え」と思われがちな不調の正体
  • 今すぐ何かを頑張らなくてもいい理由
  • 自分の状態をやさしく見直すヒント

どれも、
「ちゃんとした診断をつけるため」ではなく、
自分を責めずに気づくためのものです。

読むだけで、何かを変えなきゃいけない記事ではありません。
今の自分を、少し知るための時間として読んでもらえたら嬉しいです。

もしひとつでも
「これ、私かも」と感じるものがあれば、
それだけでこの記事を読んだ意味は十分だと思っています。


心が疲れている時に体が送るS.O.S①無意識に「ため息」が増える理由

最近、気づいたらため息が出ている。
深呼吸のつもりはないのに、ふっと息を吐いている。
そんなことはありませんか。

ため息というと、
「ネガティブ」「やる気がない」
そんなイメージを持たれがちですが、実はそうとは限りません。

心が疲れているとき、体は無意識のうちに、
少しでも楽になろうとして呼吸を深くしようとします。
その結果として、ため息が増えることがあります。

ゆも
ゆも

精神科訪問看護の現場でも、
「最近、呼吸が浅い気がするんです」
「気づいたら息を止めていました」
と話してくださる方は、実は少なくありません。

実際に測ってみると、
医療的には「すぐ危険」というほどではないけれど、
本来より少し低め
の数値が出ることもあります。

これは、弱いからでも、気合が足りないからでもなく、
体がちゃんと頑張ってくれているサインとも言えます。

もし今、ため息が増えていると感じたら、
「また出ちゃった」と責めるのではなく、
「それだけ疲れてたんだな」と気づいてあげてください。

今すぐ何かを変えなくても大丈夫です。
気づけたこと自体が、もうひとつのS.O.Sへの対応になっています。

【すぐできるヒント】 ため息が出た時、「また出ちゃった」と責めるのではなく、その一瞬だけ肩の力をストンと抜くことを意識してみる。

心の疲労サインS.O.S②食欲が極端に変わる(食べすぎ・食欲不振)

最近、
「お腹は空いていないはずなのに、何かを食べ続けてしまう」
「食事の時間なのに、食べる気が起きない」
そんな変化はありませんか。

食欲の変化は、体調や気分の問題だと思われがちですが、
実は心の疲れがとても出やすい部分でもあります。

心が疲れているとき、
体はエネルギーを保とうとして、
甘いものや炭水化物を欲しがることがあります。

一方で、
緊張状態が続くと、胃腸の働きが落ちてしまい、
「お腹が空いている感じがしない」「食べるのがつらい」
と感じることもあります。

ゆも
ゆも

精神科訪問看護の現場でも、
「気づいたらお菓子ばかり食べていました」
「ちゃんと食べなきゃと思うほど、食べられなくなってしまって…」
そんな声を聞くことは少なくありません。

これも、意志の弱さや自己管理の問題ではなく、
心と体が必死にバランスを取ろうとしている状態だと考えられます。

もし食欲の変化に気づいたら、
「ちゃんと食べなきゃ」「食べすぎはダメ」と自分を追い込むより、
「今は少し疲れているのかもしれない」と立ち止まってみてください。

食事を整えることよりも先に、
心と体を休ませることが必要なタイミングもあります。
それに気づけたこと自体が、大切な一歩です。

心が疲れている時に体が送るS.O.S③肩・首・顎がずっと緊張している

気づいたら、肩に力が入っている。
首や肩がずっと重たい感じがする。
そんな状態が続いていませんか。

マッサージを受けても、
一時的には楽になるけれど、すぐに元に戻ってしまう。
そんな人も多いかもしれません。

心が疲れているとき、体は無意識のうちに、
「いつでも頑張れるように」緊張した状態を保とうとします。

特に、
歯を食いしばっていたり、顎に力が入っていたりする場合、
体がずっと「気を張っている」状態になっていることがあります。

ゆも
ゆも

私自身、特に意識していない時に周りから「緊張してる?」と聞かれ、顔のこわばりや肩の緊張が強くなっていることに気づきました。

無意識のうちに体が身を守ろうとする、防衛反応のひとつだと感じています。

これは、
真面目で、我慢強い人ほど出やすいサインでもあります。

もし今、肩や首、顎の緊張に気づいたら、
「力を抜かなきゃ」と頑張る必要はありません。
「ずっと気を張っていたんだな」と気づくだけで十分です。

体の緊張は、
「もう少し安心してもいいよ」という、
体からの小さなメッセージかもしれません。

【すぐできるヒント】 顎の緊張に気づいたら、舌先を上の歯の裏にそっと触れさせる。これだけで、無意識の食いしばりが少し緩むことがあります。

心が疲れている時に体が送るS.O.S④ちょっとしたことで涙が出そうになる/逆に何も感じない

テレビやSNSを見ていて、
いつもなら気にしない場面で、急に涙が出そうになる。
そんなことはありませんか。

反対に、
嬉しいことがあっても、悲しいことがあっても、
あまり何も感じないような感覚になることもあります。

感情の波が大きくなったり、
逆に感情が遠く感じられたりするのは、
心が疲れているときによく見られる反応です。

心が限界に近づくと、
感情を処理する余裕がなくなり、
少しの刺激でも溢れてしまったり、感じること自体を抑えたりすることがあります。

ゆも
ゆも

精神科訪問看護の現場でも、
「理由はわからないけど、涙が出てしまうんです」
「何も感じない自分がおかしい気がして」
と戸惑いながら話してくださる方は少なくありません。

こうした状態は、
弱さや性格の問題ではありません。
それだけ心が頑張ってきた、というサインでもあります。

もし今、感情の変化に気づいたら、
「ちゃんと感じなきゃ」「泣いちゃダメ」と抑え込まず、
「今は余裕が少ないんだな」と受け止めてあげてください。

感じすぎても、感じなさすぎても、
どちらも心が出しているS.O.Sです。
無理に元に戻そうとしなくて大丈夫です。

隠れた心のS.O.S⑤風邪ではないのに「体がだるい・重い」状態が続く

しっかり寝たはずなのに、朝から体が重たい。
特別なことをしていないのに、疲れが抜けない。
そんな状態が続いていませんか。

病院で検査をしても、
「特に異常はありません」と言われる。
それでもつらさだけが残ってしまうことがあります。

心が疲れているとき、
体はエネルギーをうまく回せなくなり、
全身のだるさや重さとしてサインを出すことがあります。

病院で異常なしって言われて、

『結局、怠けてるだけなんじゃないか』って自分を責めちゃう…

でも、こうしただるさは、
気合や根性でどうにかなるものではありません。
体が「これ以上はしんどいよ」と伝えてくれている状態です。

もし今、理由のわからないだるさを感じているなら、
「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い立てるより、
「ここまでよくやってきたんだな」と声をかけてみてください。

休んでもいいサインは、
限界を超えてから出るわけではありません。
こうして体が出してくれているS.O.Sに、気づけたことが大切です。

おわりに

ここまで、心が疲れているときに体が送るS.O.Sを、5つのサインとしてお届けしました。

すべて当てはまった方もいれば、「一つだけ、私に響いた」という方もいるかもしれません。どちらでも大丈夫です。

もし、この中の小さなサインに「ハッ」と気づけたなら、それはあなたの体があなた自身に送る、優しい【立ち止まって】という招待状です。

心の不調は目に見えず、つい「気のせい」「まだ頑張れる」と無視されがちです。

ですが、体は、あなたの心と違って嘘をつくことができません。

どうか、この記事が、あなたの心が発する「静かなSOS」に気づき、静かに振り返る【心の鏡】のような役割を果たせていたら、それだけで筆者として十分です。

無理に前向きにならなくていい。何かを変えようと、急いで走り出さなくてもいい。

ただ、気づいて、今の自分を少しだけ「いたわる」。

それは、誰かに頼るのと同じくらい、立派なセルフケアの一歩です。

この瞬間から、今日のあなたが、心の声に耳を傾けることができるよう、心から願っています。

【免責事項・大切なお知らせ】 本記事は、精神科訪問看護師としての経験に基づき、心の不調に気づくためのヒントを提供することを目的としています。特定の診断や治療を保証するものではありません。

症状の感じ方には個人差があります。現在通院中の方、または日常生活に支障が出るほど強いお悩みをお持ちの方は、必ず主治医や専門の医療機関にご相談ください。

本記事の情報を利用したことによる不利益やトラブル等について、当サイトは一切の責任を負いかねますので、ご自身の体調に合わせて無理のない範囲でご活用ください。

無理に何かをしなくて大丈夫ですが、
「少しだけ自分の状態を確認してみたい」と思った方へ。
▶ 心のセルフチェックリストはこちら

ゆも
ゆも

最後に、書いた私自身の話をさせてください。

実は、この記事に書いた「ため息」や「体の重さ」は、私が休職する前に全て経験していたサインです。あの頃の私は、このSOSを「気のせいだ」と無視し続けてしまいました。

だからこそ、この記事を読んでいるあなたには、「私と同じ失敗をしてほしくない」と心から思っています。

今、あなたがこの記事を最後まで読んでくれたこと、それ自体が、あなたの心が「もう大丈夫だよ」と立ち直ろうとしている証拠です。

どうか、自分の心の声を、信じてあげてくださいね。

この記事を書いた人

tayu14mi@

精神科訪問看護師のゆもです。
専門職としての知識や経験をもとに、メンタルケアや暮らしに役立つものを紹介しています。安心して読めるブログを目指しています。

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