🧠頭の中で、ずっと自分を責める声が止まらないあなたへ
自分を責める声が止まらないと感じることはありませんか。
理由もなく「自分が悪い」「価値がない」と思ってしまう――
それは、あなたの弱さではないかもしれません。

夜、寝ようとすると今日一日のダメだった点ばかり考えちゃう…

誰かの役に立てないなら、自分には価値がないんだ…
理由ははっきりしないのに、
頭の中でずっと、誰かに責められているような感覚が続く。
何もしていないのに疲れていて、
少し休もうとすると、
「怠けている」「逃げている」と声がする。
もし、これに心当たりがあるなら。
それは、あなたが弱いからでも、性格が悪いからでもありません。

その声の正体を、一緒に見つけていきましょう。
🚨それは「あなた自身の声」ではない
専門的には、この「責める声」は
内なる批判家(インナーク)と呼ばれることがあります。
※この記事では「自分を責める声」と表記します。
これは、過去に浴び続けた言葉や態度が、
心の中に残ってしまったもの。
つまり、
あなたが自分を嫌っているから生まれた声ではありません。
複雑性PTSDの人の心の中には、
自分を監視し、責め続ける声が残っていることがあります。

例えるなら、戦場(辛かった環境)では有能だったけれど、平和な日常に戻っても、まだ敵が来ると勘違いして叫んでいる退役軍人のようなものです。
この声はとても自然に聞こえるため、
多くの人が「これが自分の本音なんだ」と思い込んでいます。
でも実際には、
それは過去の環境で生き延びるために身につけた反応です。
・否定されないように
・怒られないように
・見捨てられないように
常に自分を厳しくチェックし続けることで、
危険を避けようとしてきた名残なのです。

この自己否定の声って、自分が思ってることじゃなかったの…!?

その声は今のあなたの本心ではなく、過去に辛かった時のあなたの声かもしれませんね。
🛡その厳しさは、あなたが生き抜くために必要だった『盾』
子どもの頃、安心して甘えられなかった人ほど、
心の中に「内側の監視役」を作りやすくなります。
それそれは
「こうしていれば大丈夫」
「これ以上傷つかないために」
という、必死な工夫でした。
だからこの声は、
あなたを壊そうとしているわけではありません。
ただ、
もう必要のないやり方で、今もあなたを守ろうとしている
それだけなのです。
🔍自分を責める声が止まらないとき、心の中で起きていること
こうした警報が鳴っているとき、
心の中では、こんな言葉が一気に流れ出すことがあります。

この「自分を責める声が止まらない」のは、
あなたを罰するために存在しているわけではありません。
むしろ、「また同じ目に遭わないように」
危険を先回りして知らせ続ける、
古い警報装置のようなものです。
問題は、この警報が、
今の安全な状況でも鳴り続けてしまうこと。
だから声が厳しいときほど、
「私はダメだからだ」ではなく、
「ああ、警報が過敏になっているんだな」
と捉え直せる余地が生まれます。
-↓-過去の記憶が反応-↓-危険!という警報-↓-責める声が強くなる.png)
頭の中の責める声が激しくなるとき、
多くの場合、それは「今の出来事」ではありません。
脳は過去の記憶と現在を区別できなくなり、
子ども時代の恐怖や無力感を、
「今まさに起きている危険」だと誤認します。
この状態では、理屈や正論はほとんど届きません。
自分を責める声が極端に厳しくなるのは、
あなたがダメだからではなく、脳の警報装置が過剰に作動しているからです。
だからまず必要なのは、
「正しく考えること」ではなく、
「これがフラッシュバックだと気づくこと」なのです。
この反応については、複雑性PTSDの4つの防衛反応でも詳しく解説しています。
🔥自分を守るための「怒り」は、回復に必要な力
多くの人は、怒りを感じることに罪悪感を抱いています。
特に、子どもの頃に怒ることを許されなかった人ほど、
怒りを「悪いもの」「危険なもの」だと感じやすい。
けれど、回復の過程では、
自分を守るための怒りがとても大切になります。
責める声が出てきたとき、
心の中でこう言ってもいいのです。
「違う」
「それは私の声じゃない」
「もう、そんなふうに自分を扱わなくていい」
これは攻撃ではなく、
健全な自己防衛です。

あなたはもう、過去の声に逆らってもいいんです。
子どもの頃に守られなかった人ほど、
この「自分を止めていい」という感覚を
持ったことがないまま大人になります。
🌱脳の書き換えは可能。少しずつ『味方の声』を増やしていく

今は信じられないかもしれません。
でも、自分を責める声は、
気づき、止め、別の声を重ねていくことで、
少しずつ弱くなっていきます。
脳は、一生を通じて変化します。
何度も同じ練習をすることで、
自分を傷つける回路は使われにくくなり、
自分を守る回路が育っていきます。
最初は、ほんの一瞬だけ気づけるようになる。
次に、立ち直る時間が少し短くなる。
それだけでも、回復は確かに進んでいます。
回復が進むと、
この声は「敵」ではなく、
役目を終えつつある存在として
感じられる日が来ることもあります。

少しずつ、少しずつ…。
🪴回復の第一歩は「止めること」ではない
ここで、よくある誤解があります。
「この声を消さなきゃ回復できない」
「優しい言葉にすぐ置き換えなきゃ意味がない」
でも実際は、
消そうとするほど、声は強くなることも多いのです。
多くの人がここでつまずきます。
「ポジティブに考えなきゃ」
「こんな声、気にしないようにしなきゃ」
でも、複雑性PTSDの回復で
いちばん大切なのは、考え方を無理に変えることではありません。
まず必要なのは、
「あ、今、頭の中の自分を責める声が出てきてるな」
と気づくこと。
それだけで十分です。
気づくことは、
その声に従うこととは違います。
それは、あなたが
少しずつ自分の人生のハンドルを取り戻し始めているサインです。
🧘フラッシュバック中にできること
感情的フラッシュバックが起きているとき、
脳は「今は安全」という情報をうまく受け取れなくなっています。
その状態で
「感謝しよう」「前向きになろう」としても、
うまくいかなくて当然です。
そんなときは、思考より先に、体に戻ります。
- 足の裏に体重を乗せ、床の感触を感じる
- 息をゆっくり吐く(吸うより吐くことを意識)
- 周りにある「今ここにあるもの」を3つ探す
これは気休めではなく、
神経系を落ち着かせるための、現実的な方法です。
🤍「別の声」を少しずつ育てていく
最初は、自分を責める声が止まらないため、心の中が埋め尽くされているように感じます。
でもある瞬間、ほんの一瞬だけ
「あ、今自分を責めてる声が出てるな」
と気づけることがあります。
それが、「別の声が1%生まれた瞬間」です。
例えるなら、
大音量のラジオが流れている部屋で、
「あ、今うるさいな」と気づく瞬間が生まれるようなものです。
自分を責める声に気づけるようになると、
次にできることがあります。
それは、
もう一つの、違う声を心の中に置いていくことです。
たとえば、

今そう感じるのも無理はないよね。

自分が今できることはやれたんだ。
最初は嘘みたいに感じるかもしれません。
違和感があって当然です。
多くの人は、
こういう言葉を一度もかけられないまま大人になっているから。
でも、繰り返すうちに、
心の中は「責める声一色」ではなくなっていきます。
🌿小さな感覚に気づく練習
「今あるものに感謝しなさい」
この言葉で、さらに傷ついた人も多いと思います。
感謝は、無理に感じるものではありません。
感じられない時期があっていい。
ただ、心が少し落ち着いたときに、
・好きな音楽
・猫のぬくもり
・きれいだと思えた景色

そんな小さな感覚に気づく練習は、
心を「今」に戻す助けになることがあります。
できない日は、やらなくていい。
それも含めて、回復です。
🛤自分を取り戻すまでのロードマップ

STEP 1
「気づく」
自分を責める声が止まらないとき、「あ、今、過去の警報が鳴ってるな」と一瞬気づけるようになる。
※この段階では、できたりできなかったりを行き来します。それで大丈夫です。
STEP 2
「落ち着かせる」
声と戦わず、呼吸や足の裏の感覚に意識を向けて、体を「今」に安全に着地させる。
STEP 3
「別の声を置く」
「そう思うのも無理ないよ」といった、味方としての1%の声を心に置いてみる。
※「別の声」が出てこない日があっても、回復が後退したわけではありません。
GOAL
「自分を守る回路が育つ」
気づいたら自分を責める時間が短くなり、自分を味方だと思える瞬間が増えていく。
🌅まとめ
- 自分を責める声が止まらないのは、あなたの本音ではなく「過去の防衛反応」
- 無理に消そうとせず、まずは「あ、今鳴ってるな」と気づくだけでいい
- 辛いときは思考ではなく、体の感覚(足の裏、呼吸)に意識を戻す
- 自分を守るための「怒り」や「別の声」を少しずつ育てていく
🌙あなたは壊れていない
頭の中の責める声も、
過覚醒も、人との距離の難しさも。
それらはすべて、
安心できない環境で生き抜くために必要だった知恵でした。
あなたは壊れているのではありません。
ただ、長いあいだ、ひとりで頑張りすぎてきただけ。
この文章が、
自分を責めそうになった夜に、
「私は大丈夫かもしれない」と思える
小さな足場になりますように。

もし今、自分を責める声が聞こえたら、まずは心の中で『あ、また警報が鳴ってるな』とつぶやいてみてください。それだけでも、回復はちゃんと進んでいます。
この考え方は、複雑性PTSDを長年研究してきた
ピート・ウォーカー氏の公式サイト でも紹介されています。
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