精神科病棟と訪問看護、どちらで働くべきか迷っていませんか?
この記事では、病棟と訪問看護の両方を経験した精神科看護師・ゆもが、 仕事内容・勤務スタイル・給料・向いている人の特徴を、現場のリアルを交えて比較します。

精神科で働くってどんな働き方?

訪問看護が気になるけど向いてる?

給料は実際どう違うの?夜勤なしだと下がる?
こうした疑問に、病棟+訪問看護の両方を経験した私がリアルに解説します。
📝 この記事を読むと、こんなことがわかります
- 🏥 精神科病棟と訪問看護の仕事内容の違い
- ⏰ 勤務スタイルの違い(夜勤・生活リズム・働きやすさ)
- 💰 給料・年収のリアルな差(夜勤手当/訪問手当)
- 👤 それぞれに向いている人・向いていない人の特徴
- 🤔 「今の働き方、しんどいかも…」と感じたときの考え方
- 🔄 病棟→訪問看護へ転職した実体験から見えたメリット・デメリット
働き方で迷っている方、環境を変えたい方の比較材料として、ぜひ活用してください。
⚖️精神科病棟と訪問看護の違い
📝 精神科病棟看護師 vs. 訪問看護師:仕事環境とスタイルの比較
| 比較項目 | 🏥 精神科病棟看護師 | 🏡 精神科訪問看護師 |
| 職場環境 | 常に室内。天候に左右されない安定性。人間関係が固定され、苦手なスタッフと距離を置けない。 | 移動が伴う。天候の影響を直接受ける(防寒・熱中症対策必須)。移動中に季節の楽しみがある。 |
| 勤務スタイル | 夜勤あり。生活リズムが不規則になりがちで、自律神経や免疫力に影響が出やすい。 | 夜勤なし(オンコール待機あり)。規則正しい生活を維持しやすく、日光によりメンタルヘルスが安定しやすい。 |
| ケア形態 | チームケア。複数の患者さんを同時に受け持つ。困ったときは医師や同僚にすぐに相談可能。 | 一対一の集中ケア。個別性が高く、深く関われる。訪問中は自己判断が求められる場面が多い。 |
| 求められるスキル | 医療的技術(採血・点滴)、多重業務の遂行能力、多職種との連携力。 | 自立した判断力、関係構築力・傾聴能力、創造性と模索力、移動や自己管理を含む生活技術。 |
| 給与への影響 | 夜勤手当(1回1万~1.5万円)が収入UPに大きく寄与。賞与は訪問看護より高い傾向。 | 訪問手当/インセンティブ(訪問件数)とオンコール手当(1回1千~3千円)が寄与。夜勤なしで病棟とほぼ同等の年収も可能。 |
| 「辞めたい」と感じる瞬間 | 生活リズムの破綻、重症患者の受け持ちによる業務負荷とジレンマ、組織との意見対立。 | 緊急時の単独対応の重圧、身体的な制約(移動の負担)、訪問看護の限界を感じたとき。 |
1. 職場環境の違い
病棟看護師の環境
- ◎天候に左右されない安定性: 常に暖かい室内で看護を提供できます。
- ◎食費の節約: 安価な院内食(職員食堂)が提供される病院が多いです。
- △人間関係と環境の制約。 一日の行動範囲が病棟内に限定され、苦手なスタッフと距離を置くことができません。
訪問看護師の環境
- △自然との共存: 移動中は外気温の影響を直接受けます。夏場の熱中症対策、冬の防寒着は必須となります。
- ◎食事や時間の自由度: 休みに好きなお店でランチを楽しめるほか、訪問の合間にコンビニで購入した飲み物や軽食をとりながら記録を作成できます。
- ◎季節の楽しみ: 桜の開花や紅葉など、季節の移り変わりや美しい景色を移動中に楽しむことができます。

訪問当初は家に引きこもりだった利用者さんと花見に行くことができました!🌸
生活の小さな変化を見守ることができるところが訪問看護の魅力です。
2. 🌤勤務スタイルによる影響
勤務形態は、自身の生活リズムとメンタルに最も直結する部分です。ここにも明確な違いがあります。
病棟勤務の勤務形態
- 夜勤と不規則な生活: 病棟では夜勤があり、生活リズムが不規則になりがちです。その結果として、気分の落ち込みや情緒の不安定化を引き起こします。情緒の不安定化を引き起こします。免疫力も低下しやすくなります。
訪問看護の勤務形態
- 日光の恩恵:日に当たる時間が増えることでセロトニン(幸福ホルモン)の分泌が促進され、自身のメンタルヘルスが安定します。
- 夜勤がない規則正しい生活: 訪問看護は基本的に夜勤がないため、規則正しい生活リズムを維持しやすくなります。(※オンコールを担当する場合、夜間1~5件の電話対応あり)


夜勤の明けと休みを有効活用し、自由な時間が増えると喜ぶ看護師もいます。
中には、夜勤明けにそのままディズニーランドに行く看護師もいますよ!
その人次第で夜勤も大きなメリットになりますね。
3. 👥利用者さんとの関わり方:チームケアか、一対一の集中ケアか
利用者さんへの看護提供のスタイルも大きく異なります。
病棟看護:チームで連携
- 複数人・チームでのケア: 日中は比較的余裕のある人数で、医師や師長、リーダー等に相談しながら看護を提供できます。夜勤帯も緊急時は当直医に相談もできます。
- 同時並行ケアによる時間の制約: 一人の看護師が多くの患者さんを同時に受け持ちます。医療的処置や緊急対応が多く発生するため、利用者さん一人ひとりに割く時間は短くなります。

困ったときは上司や医師に相談!緊急時の対応も安心できます♪
訪問看護:深い一対一の関わりと自己判断
- 一対一の集中ケア: 30分から最長90分間、利用者さんお一人に対して集中して看護を提供することになります。より個別性の高いケアを提供できるのが醍醐味です。
- 自己判断の必要性: 訪問中は一対一のため、自己判断が求められることが多く、勉強・経験不足の場合は対応が難しいと感じる場面もあります。
※ 精神科初心者に対しては、初めのうちはベテランスタッフと2名体制で訪問を行うため安心です。

訪問中に行うことは、療養相談以外に「散歩に行く」「脳トレをする」「お部屋の環境整備を一緒に行う」「一緒に手芸を行う」などなど…👀
4.⏰1日の流れの違い
1日のルーティンは大きく異なります。病棟は病棟内での定型業務が中心、訪問看護は移動と訪問が中心です。
🏥 精神科病棟看護師(日勤モデル)
- 午前: 8:00 出勤 → 申し送り、バイタル測定、医療的処置、入浴誘導など(多数の患者を同時並行で対応)
- 昼食・休憩: 12:00 配膳、配薬 → 13:00 休憩
- 午後: 14:00〜 作業療法誘導、カンファレンス、外出・面会対応、記録(病棟内の業務が中心)
- 終業: 17:00 申し送り後 退勤
🏡 訪問看護師(一般的なモデル)
- 午前: 9:00 出勤 → 申し送り、情報収集 → 移動と訪問を2~3件実施
- 昼食・休憩: 12:00 休憩(訪問先や事務所など場所は柔軟)
- 午後: 13:00〜 訪問と移動、記録を繰り返し、4~5件を実施
- 終業: 18:00 帰社、記録整理、申し送り後 退勤
精神科病棟も訪問看護も、基本的に残業はないに等しいです。これは、プライベートを重視したい方にとって大きなメリットとなるでしょう。
5.🩺求められるスキルの違い
病棟看護師に求められるスキル
- 医療的技術: 採血、点滴などの医療的処置を正確かつ迅速に行う技術。
- 多重業務の遂行能力: 複数の患者対応、緊急性の高いタスク、記録などを同時に効率よく処理する能力。
- 多職種との連携力: 医師、心理士、ソーシャルワーカーなど、多くの専門職と密に連携し、円滑に情報を共有するチームワーク。
- 交代制勤務への適応: 日勤・夜勤といった不規則な勤務体制に対応できる体力と精神力。
訪問看護師に求められるスキル
- 自立した判断力: 訪問先で1人であるため、状況を正確に把握し、自己判断で対応する能力。
- 関係構築力と傾聴能力: 利用者との一対一の関わりにおいて、適切な距離感を保ちながら、深い傾聴を行う力。継続して訪問に入るには、利用者さんとの関係構築力が極めて重要。
- 創造性と模索力: 訪問先の環境や利用者個別のニーズに合わせて、支援の方法を柔軟に工夫し、創造性を持って模索する姿勢。
- 生活技術: 自転車での移動、マップを見てのルート確認、外での業務に伴う防寒や熱中症対策など、生活に密着した技術と自己管理能力。

精神科患者さんの環境や臭いに対して心配している方もいるかと思いますが、スリッパの着用やマスクスプレーなど対処法もたくさんあります!あとはすぐに慣れますね(笑)
6🎯向いてる人・向いていない人
・精神科病棟に向いているタイプ
経験重視の人: 初めて精神科に携わる人。チーム体制の中で基礎を学びたい人。
スキルアップ志向の人: 採血、点滴などの医療的技術スキルを磨きたい人。
急性期ケア志向の人: 急性期の患者の看護(集中的な治療や危機介入)を行いたい人。
集団行動・連携志向の人: 医師や多職種、同僚と連携を取りながら進めるチームでの看護が好きな人。
収入・生活リズムの許容度: 夜勤が好きな人(夜勤手当による収入増を望む人)。
・訪問看護に向いているタイプ
個別ケア志向の人: 1人1人の利用者さんに時間をとって深く関わり、個別性の高い看護を行いたい人。
自立・単独志向の人: 自分のペースで仕事を進める単独行動が好きな人。
健康と体力に自信がある人: 体が健康な体を持つ人(移動が必須のため、体調不良や膝、腰など痛めていると訪問に回れない可能性がある)。
相談・連携ができる人: 1人で抱え込まず、状況を的確に判断し、必要な時にほかのスタッフに相談できる人。
・どちらも合わないと感じたとき
病棟や訪問看護のスタイルが合わないと感じた場合でも、精神科看護の経験を活かせる他の職場は多数存在します。
- 精神科デイケア: リハビリやレクリエーションを通じた集団的な支援が中心。複数名の比較的状態の落ち着いた利用者さんが主となります。
- 精神科クリニック: 外来患者の診察補助、採血など医療的処置などが中心です。夜勤がなく、スタッフの人数は限られています。
- 福祉施設(グループホーム、就労継続支援など): 施設での生活や就労をサポートします。看護師としての医療的役割よりも、利用者の生活を支える役割が大きくなります。
- 【🆕 新しいキャリアの形】情報発信・フリーランス活動:ブログ制作やSNSなどを通じて、看護の情報を発信していく。
7 💰給料のリアルについて
| 項目 | 🏥 精神科病棟看護師(関東・2年目、夜勤5〜6回) | 🏡 精神科訪問看護師(関東・3年目、月120〜130件) |
| 月総支給額(概算) | 33万円 | 33万円 |
| 内訳 | 基本給 25万円 + 夜勤手当 6万円 など | 基本給 23万円 + 訪問手当 10万円 など |
| 賞与(年間) | 約 100万円 | 約 60万円 |
| 推定年間収入(概算) | 約 500万円 | 約 490万円 |
| 収入UPの主な要因 | 夜勤回数(1回あたり1万〜1.5万円) | 訪問件数(インセンティブ)、オンコール手当 |

あれ?給料はあまり変わらないですね!
8💡実際に働いて分かったこと
・やりがいを感じたとき
病棟看護師:
- 回復過程の観察: 急性期から軽快し、退院していく姿までを観察でき、回復していく姿を見るとうれしく感じます。様々なケースの患者さんを知ることができます。
- 確実な技術習得: 基本的な医療技術を、チームの指導のもとでゆっくりと確実に身に着けることができます。
- 多職種連携による多角的な視点: 多職種が同じ職場にいるため、様々な専門的な視点から患者のことを見ることができます。
訪問看護師:
- 深い個別的関わり: じっくりと一人ひとりの利用者と関わることができます。
- 自由度と創造性: 自分次第で行えることの範囲が幅広く、支援の方法を創造的に模索できます。
- 落ち着いた看護: 症状が落ち着いている人が多いため、比較的落ち着いて看護が行えます。

どちらの職場でも、患者さんから「ゆもさんのおかげでよくなりました」と言われたときは、とてもうれしかったです!患者さんとのかかわり方の重要性を感じました♪
・看護師を「辞めたい」と感じたとき
仕事のスタイルや環境が異なるため、看護師がキャリアの継続に疑問を持つ瞬間にも違いがあります。
- 病棟看護師:
- 生活リズムの破綻: 夜勤が続いた後の日勤など、生活リズムが崩れて体調を崩したとき。
- 業務負荷とジレンマ: 重症度の高い患者の受け持ち人数が多いときや、その支援に追われてほかの患者に十分な支援が行えていないと感じたとき。
- 組織との意見対立: 上層部や組織の体制と意見が対立したとき。
- 訪問看護師:
- 単独対応の重圧: 利用者の緊急時の対応を1人で担わねばいけないときの重圧。
- 身体的な制約: 妊娠・出産時に自転車での訪問に回ることはリスクが高いと感じたときや、膝や腰を痛めると移動自体ができなくなるなど、身体的な限界を感じたとき。
- 対応の限界: 担当の利用者が立て続けに不調になったときや、訪問看護の限界を感じたとき。
・今の働き方を選んだ理由
現在の「精神科訪問看護師 + 副業での情報発信」というスタイルを選んだ動機は、以下の通りです。
- 訪問看護師としての働き方:
- 訪問看護師として働くことで、規則正しい生活リズムを維持し、利用者と深く関わる仕事を実現できます。
- メンタルケアの情報発信:
- ブログ制作やSNSでの発信を通して、支援を必要としているものの、医療に繋がることができていない人たちにも、必要な情報や支援を届けることができます。
まとめ:📖どちらを選ぶべき?
病棟看護師と訪問看護師は、どちらも精神科領域で重要な役割を果たしますが、その働き方と得られるメリットは対極的です。
どちらを選ぶべきか、一緒に考えていきましょう!
🚀 1.最終決定チャート
STEP 1|まず優先したいのはどっち?
- A:生活リズム・メンタルの安定 → STEP 2へ
- (夜勤による体調不良が不安)
- B:経験値・収入アップ → STEP 3へ
- (夜勤手当や多様な経験を優先)
STEP 2|一人で判断する仕事に抵抗はない?
- A:ある → 🏥 病棟が向いてる
- (常に誰かと相談できる環境が欲しい)
- B:ない → 🏡 訪問看護が向いてる
- (緊急時も自分で判断できる自信がある)
STEP 3|チームと働くのが好き?一人が好き?
- A:チームが安心 → 🏥 病棟が向いてる
- (多職種連携や集団でのケアを重視)
- B:一人で進めたい → STEP 4へ
- (自分のペースで仕事の成果を出したい)
STEP 4|生活支援(掃除・買い物同行など)も苦にならない?
- A:大丈夫 → 🏡 訪問看護が向いてる
- (生活の場に入り込み、総合的な支援をしたい)
- B:医療中心で働きたい → 🏥 病棟が向いてる
- (医療的処置や病棟内でのケアに集中したい)
STEP 5|どちらにもピンとこない、または両方のデメリットが気になる…?
- 代替キャリアを検討
- (例:デイケア、クリニック、福祉施設)
- 情報発信・知識提供活動を検討
- (看護師経験を活かした新しい働き方)
2. 💔辛い瞬間の「質」で選ぶ
どちらの働き方にも、看護師としての限界や辞めたいと感じる瞬間があります。
あなたが辛さを感じやすいのは…
- 組織的な負荷に辛さを感じるなら → 🏡 訪問看護師へ
- 病棟の「人間関係」「組織との意見対立」といった、組織運営や集団生活に起因するストレスから離れられます。
- 単独行動の重圧に辛さを感じるなら → 🏥 精神科病棟看護師へ
- 訪問看護の「単独訪問」や「緊急時の判断」といった、精神的負荷や孤独へのストレスを避けられます。
結論:私が選んだハイブリッドな働き方
私ゆもは、訪問看護を行いつつ、ブログやSNSで発信を行う という2つの働き方を選びました!
最後に
この記事を読んで、少しでも精神科で働く道に興味を持ち、一歩踏み出すきっかけとなったらうれしいです。一緒に自分に一番合った働き方を模索していきましょう。

看護師の資格を生かせる場所は探せば無限大にあります!
自分に合った働き方を模索していきましょう。
💖 一人じゃないよ!次のステップへ進もう
この記事を読んで、少しでも「変われるかも」と感じていただけたら嬉しいです。一人で抱え込まず、一緒に歩んでいきましょう。
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【免責事項】 本記事の内容は、精神科看護師ゆもの個人的な体験に基づく情報提供であり、全ての医療機関の給与水準や業務内容を保証するものではありません。キャリアに関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください

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